いつも降りる駅

車内のアナウンスが駅の名前を告げる。

 

着かなければいいのに。着いたら、次の何かが始まってしまう。

とめどなく溢れ、流れてくる何かに飲み込まれてしまう。

僕が僕じゃなくなってしまう。

 

そんなことを考えつつも、僕の手は荷物をまとめ始めている。

なんだかんだ僕はまともなんだな。安心するような、残念なような。

<目次の開閉>